|
昔、こんなカウンセリングがありました Kさんは卒業後、就職したけれど
なじめずに数ヶ月で退職
何だか社会にもう一度出る事に
臆病になってしまって
外に出るのもしんどくなってしまいました
それでも、サロンには
月に一度
私とのカウンセリングの為に
通ってくれました
電車の中の
乗客全員が自分の事を
だめな人間と思って見てる
そんな気がして本当は
電車に乗るのも
人ごみを歩いてくるのも
しんどいんだとおっしゃってました
だから、病院にもいけないともおっしゃっていました
だから、時折、連絡無く
お越しにならない日もありました
でも、必ず後日お電話を下さり
「電話するのが怖かったんです・・・
出かけようと思ったら熱が出て・・・すみません」と
謝られていました
そして、日に日に
初めてお会いした時の
ハツラツとした顔から
笑顔が無くなり
言葉が無くなり
苦しいとか悲しいとかの
表情も無くなっていきました
バイオテックのカウンセラーである私が
ここまで、心を閉ざしたKさんに
カウンセリングをして深く
Kさんの心に立ち入って
良いだろうか?
カウンセリングに来て貰うのは
私が安心したいだけなんじゃないか?
すごくつらい事を
強いているのではないだろうか?
カウンセリングをしながら
そんな、迷いが一瞬よぎる事も
正直ありました
カウンセリングルームの中
表情はうつろで
目線も合わない
Kさんと3時間近く
カウンセリングをしました
Kさんの少ない言葉を拾い
共感し
ひたすら聴きました
Kさんは小さな声で
「こわい」という事を何度も
おっしゃっていました
この人は本当に
今、どうしようもない程
理由の見えない苦しみと
戦ってるんだ
そう思うと自然と私は
「Kさん、つらいね、しんどいね・・・」と
ただ、ただ、呟いていました
カウンセリングの終わりに
「私はKさんじゃないから
100%気持ち分かって差し上げられてないかもしれない
でも、Kさんが今すごくつらい事と
懸命にそこを脱出しようと苦しんでいる事は
すごくわかる
私はKさんのお役に立てるでしょうか?」
そう言うと
Kさんは
来月の予約を取ると
言って下さいました
そして、お見送りの時
ドアの前でKさんが
急に振り返り
そして突然
「中尾さん、僕、出来ますよね?」と言うと同時に
大粒の涙を
ポロポロ流して
声を上げて泣き出されました
男泣きです
心のもやもやした垢を
落とすような
さっきまで
表情も無く目線も合わなかったKさんが
顔をくしゃくしゃにして
まっすぐ私の目を見て
ご自信の気持ちを訴えている
私は言葉が出ませんでした
その代わりに
Kさんの両肩にしっかり手を置いて
「うんうん」と必死で頷きました
その後
答えを聞けませんでしたが
Kさん、こんな私ですが
貴方のお役に立てたでしょうか?
また、お会い出来たら
その時の事
笑顔でお話をしたいですね
そう願いながら
今日もカウンセリングに入ります
Kさん、ありがとうございました
また、会いましょう
|